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大腸の病気

岡山内科・消化器科クリニックでは、大腸の病気に関する診断と治療に力を入れています。大腸は、私たちが摂取した食べ物の水分を吸収し、便を作る大切な器官です。しかし、食生活の欧米化やストレスの増加に伴い、大腸がんや潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群といった病気が増えています。地域のみなさんがお腹の悩みを解消し、健やかな毎日を送れるよう、丁寧な身体診察と精密な検査を行っております。お腹の張りや便通の異常など、少しでも気になることがあればお気軽に当院へご相談ください。

 

①過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群とは、お腹の痛みや違和感とともに、下痢や便秘などの便通異常が数ヶ月にわたって続く病気です。大腸カメラなどの検査をしても、炎症やがん、潰瘍といった目に見える異常が見つからないのが特徴です。命に関わる病気ではありませんが、通勤・通学途中や大切な場面でお腹が痛くなることが多く、日常生活や心の負担になりやすい現代病の一つです。

過敏性腸症候群の主な原因

大腸の形自体には問題がありませんが、主に腸の動きの異常神経の知覚過敏が原因で起こります。

自律神経の乱れとストレス 腸と脳は自律神経を通じて深くつながっています。精神的なストレスやプレッシャー、疲れ、睡眠不足などが脳から腸へ伝わると、腸の動きが過剰に激しくなったり、逆に停滞したりします。
腸の知覚過敏 腸の神経が通常よりも敏感になっているため、少しのガス(おなら)や便の刺激に対して痛い苦しいと過剰に感じてしまいます。
感染症の後遺症 過去に感染性胃腸炎(お腹の風邪)にかかったことをきっかけに、腸の環境や免疫のバランスが変わり、発症することもあります。

主な症状のタイプ

症状の現れ方によって、主に以下の3つのタイプに分類されます。

下痢型(男性に多い) 突然激しいお腹の痛みに襲われ、水のような便が出ます。特に通勤・通学の電車の中緊張する場面で起こりやすく、排便すると一時的に痛みが和らぐ特徴があります。
便秘型(女性に多い) 腸がけいれんするように過剰に緊張してしまい、便がスムーズに送られなくなります。お腹が張って痛むことが多く、出てもコロコロとしたウサギの糞のような硬い便になります。
混合型(交互型) 下痢と便秘を数日おきに交互に繰り返すタイプです。腸のコントロールが非常に不安定な状態です。

検査と診断

過敏性腸症候群を診断するためには、まず本当に他の重大な病気が隠れていないかを確認することが何よりも重要です。

  • 大腸カメラ検査:大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病など、同じように下痢・便秘・腹痛を引き起こす他の病気がないかを直接確認します。
  • 検査の結果、大腸の粘膜に目に見える病気がないことを確認できて初めて、この過敏性腸症候群という診断となり、それぞれのタイプに合わせた正しい治療へと進むことができます。

過敏性腸症候群の治療

お薬による治療生活習慣・食生活の改善を組み合わせて、症状を上手にコントロールしていきます。

腸の動きを整えるお薬 乱れた腸の動きを正常化させ、下痢や便秘、腹痛を和らげます。
便の硬さを調整するお薬 水分を調節して、下痢を抑えたり、硬い便を柔らかくしたりします。
乳酸菌などの整腸剤 腸内環境を整えて、お腹の張りやガスを減らします。
漢方薬や自律神経を整える薬 ストレスや緊張からくるお腹の痛みを和らげます。

あわせて、規則正しい生活を心がけ、朝食をしっかり摂って決まった時間に排便する習慣をつけます。暴飲暴食を避け、お腹を冷やさないようにしましょう。香辛料などの刺激物、脂っこい食事、アルコール、人工甘味料などの摂りすぎは腸を刺激するため、できるだけ控えめにすることが大切です。

メッセージ
「お腹が弱いのは昔からの体質だから…」「気の持ちようだから…」と、市販の薬で凌ぎながら一人で我慢していませんか? 過敏性腸症候群は、適切なアプローチで症状をずっと楽にコントロールできる病気です。また、隠れた大腸の病気を見逃さないためにも一度検査をしておくことはとても大切です。毎日を安心して心地よく過ごせるよう、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

 

 

②潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、ただれ(びらん)や深い傷(潰瘍)ができてしまう病気です。原因が完全には解明されていないため、国の指定難病に指定されています。症状が激しい時期(活動期)と、お薬で症状が落ち着いている時期(寛解期)を繰り返す特徴がありますが、適切な治療を続けることで、病気のない人と変わらない生活を長く維持することが可能になっています。

主な原因

現在のところ原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が重なり合って、腸の粘膜を攻撃してしまうと考えられています。

免疫の異常 本来は体を守るはずの免疫システムが、何らかのきっかけで自分自身の腸の粘膜をとみなして攻撃し、炎症を起こしてしまいます。
遺伝や環境の関与 体質的な要素に加えて、食生活の欧米化、腸内細菌のバランスの変化、ストレスなどが引き金になると言われています。人から人に感染する病気ではありません。

潰瘍性大腸炎の疑いがある症状

炎症によって大腸が傷つき、水分を上手に吸収できなくなるため、以下のような症状が長引きます。

  • 長引く下痢と、激しいお腹の痛み(腹痛)
  • 便に血が混じる(血便)、粘液のようなドロっとしたものが混じる
  • 何度もトイレに行きたくなる(頻便)
  • 症状が進行すると、発熱、体重減少、貧血が現れることもあります。

※「お腹の風邪」であれば通常1〜2週間で良くなりますが、血便や下痢が数週間以上にわたって続く場合は、この病気を疑う大切なサインです。

検査と診断

症状から潰瘍性大腸炎が疑われる場合、状態を正確に把握するために検査を行います。

大腸カメラ検査 大腸の粘膜を直接観察し、炎症の広がりやただれの程度を詳しく調べます。
組織検査(生検) 診断を確定させるため、粘膜の組織を一部採取して顕微鏡で調べます。他の感染症や大腸がんと見極めるためにも不可欠な検査です。

潰瘍性大腸炎の治療

治療のゴールは、炎症をしっかり抑えて症状のない状態(寛解)にし、それを長く維持することです。

5-ASA製剤 治療の基本となるお薬で、大腸の炎症を直接抑えます。内服薬のほか、坐薬や注入軟膏を組み合わせることもあります。
ステロイド薬 炎症が強く、症状が激しいときに一時的に使用して、一気に炎症を鎮めます。
バイオ医薬品など 上記で改善が不十分な場合、免疫の暴走を抑える新しいタイプのお薬を使用します。その際は専門の医療機関と密に連携します。
メッセージ
難病という言葉を聞くと驚いてしまうかもしれませんが、現代は優れたお薬が次々と開発されており、早期に正しい治療を始めれば、大半の患者さんが普通に社会生活を送ることができます。血便や下痢が数週間も続いている状態は、大腸からの大切なSOSです。当院の院長は難病指定医でもあり、適切な薬物療法による長期的な管理をサポートします。一人で悩まず、どうぞお早めに当院へご相談ください。医療費助成(指定難病申請)の手続きについてもサポートいたします。

 

 

③クローン病

クローン病は、お口から肛門にいたるまでの消化管のあちこちに、慢性的な炎症や潰瘍ができてしまう病気です。特に小腸や大腸に多く発生します。国の指定難病ですが、現代は医学の進歩により、病気を上手にコントロールしながら日常生活を普通に送ることができるようになっています。

主な原因

原因は完全には特定されていませんが、免疫システムが食事や腸内細菌などに対して過剰に反応(暴走)し、自分の腸を攻撃してしまうことが主な要因と考えられています。また、動物性脂肪の摂りすぎや喫煙、腸内細菌のバランスの変化なども関係していると言われています。

クローン病の典型的な症状

クローン病は10代〜20代の若い世代に発症しやすいのが特徴です。

腹痛と下痢 特に食後に右下腹部が痛むことが多く見られます。
発熱や体重減少 腸の炎症によって栄養が十分に吸収できず、理由もなく体重が落ちることがあります。
お尻のトラブル 痔瘻などの肛門の病気がきっかけで、クローン病が見つかるケースが少なくありません。

検査と診断

  • 大腸カメラ検査:大腸や小腸の末端を観察し、特徴的な縦に長い潰瘍や飛び石様の炎症がないかを確認します。
  • 組織検査(生検):粘膜の組織を一部採取して顕微鏡で調べ、診断を確定させます。
  • 血液・画像検査:炎症の程度や小腸の病変を詳しく調べるために組み合わせて行います。

クローン病の治療と栄養療法

治療の目的は、腸の炎症を抑えて症状のない状態(寛解)を維持し、腸の変形(狭窄など)を防ぐことです。

お薬による治療 5-ASA製剤やステロイド、最新のバイオ医薬品(分子標的薬)を使用して、免疫の暴走を強力に抑えます。
栄養療法 脂肪分が腸を刺激するため、症状が強い時期は専用の栄養剤(エレンタールなど)を飲み、腸を休ませます。
メッセージ
早期に発見して適切な治療(お薬と食事のコントロール)を続ければ、病気とうまく付き合いながら充実した毎日を送ることができます。若い頃からお腹が弱く、体重が減ってきた場合や、治りにくい不自然な痔がある場合は、一度専門的な検査を行うことが大切です。当院の院長は難病指定医でもあり、適切な薬物療法による長期的な管理をサポートします。我慢せずにお気軽に当院へご相談ください。

 

 

④虚血性腸炎(急な腹痛と血便)

虚血性腸炎は、これまでに挙げた慢性的な病気とは異なり、ある日突然、激しい腹痛と下血で発症する急性の病気です。大腸へ血液を送る血管が一時的に詰まったり細くなったりして、血流が不足し、粘膜がダメージを受けることで起こります。基本的には一過性の病気であり、適切な処置を行えば比較的短期間で治ることがほとんどです。

主な原因

血管が一時的に細くなることや、大腸内の圧力が上がることが原因です。特に便秘が最大の引き金になります。

便秘によるいきみ 硬い便を出そうと強くいきむと、大腸に強い圧力がかかり、細い血管の血流が一時的に途絶えてしまいます。
血管の老化 高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあり、動脈硬化が進んでいると発症しやすくなります。
その他 脱水、冷え、ストレス、下剤の服用による急激な腸の動きなどもきっかけになります。

虚血性腸炎の典型的な経過

虚血性腸炎は、以下のようなパターンをたどることが多いです。

  1. ステップ1:突然の激しい腹痛
    特に左下腹部に、キリキリとした強い痛みが突然起こります。
  2. ステップ2:繰り返す便意
    痛みに伴って、何度もトイレに行きたくなります。最初は普通の便が出ます。
  3. 最終ステップ:下血(血便)
    その後、粘膜からにじみ出た血液が混じり、イチゴジャムのような血便が出ます。

検査と治療

腹部CT検査で診断がつくことが多いですが、他の緊急を要する病気と見極めるために大腸カメラ検査を行うこともあります。粘膜の赤みやただれを確認することで正確に診断できます。

治療の基本は、傷ついた粘膜を休ませてあげることです。軽症の場合は自宅での絶食や水分摂取で自然と治りますが、痛みが強い場合は点滴治療を行います。再発予防のためには、水分をしっかり摂り、便秘をコントロールすることが最も重要です。

メッセージ
突然お腹が激しく痛み、トイレで血便が出ると、非常に驚き不安になられると思います。虚血性腸炎の多くは、早期に腸を休めてあげることで速やかに良くなる病気です。ただし、まれに重症化することもありますので、突然の腹痛や血便が見られたら慌てずにまずは当院へご相談ください。

 

 

⑤大腸ポリープ

大腸ポリープとは、大腸の粘膜の表面にできるいぼのような突起物です。放置すると将来的に大腸がんに成長する可能性のあるもの(腺腫)があります。大腸がんは、ポリープの段階で切除してしまえば予防できるため、早期発見が非常に重要です。

主な原因とリスク

  • 食生活:肉類(赤身肉や加工肉)の過剰摂取、高脂肪・低繊維の食事
  • 生活習慣:過度の飲酒、喫煙、肥満や運動不足
  • 年齢・遺伝:40代以降から発生しやすくなります。血縁に大腸がんの方がいる場合もリスクが高まります。

自覚症状の少なさと検査

大腸ポリープの最大の特徴は、小さいうちは自覚症状がまったく無いということです。ポリープを確実に見つけ、その場で診断できる唯一の検査が大腸カメラ検査です。症状が出ないからこそ、健康診断の便潜血検査で陽性になったときや、40歳を過ぎたら一度は大腸のチェックをしておくことが大切です。

日帰り大腸ポリープ切除術(CSP)

当院では、将来がん化するリスクがあるポリープが見つかった場合、その場で切除する日帰り大腸ポリープ切除術を行っています。体への負担が非常に少ない最新の切除方法であるCSP(コールドスネアポリペクトミー)を導入しています。

切除の詳細については日帰り大腸ポリープ切除術(CSP)のページを参照してください。

メッセージ
大腸がんは、日本の女性の死亡原因第1位、男性でも第2位を占める非常に身近ながんです。しかし、その多くはポリープという小さな芽のうちに摘んでしまえば、未然に防ぐことができます。当院では安全な日帰り切除を行っていますので、40歳を過ぎて一度も検査を受けたことがない方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

⑥大腸がん

大腸がんは、日本人がかかるがんの中で非常に多く、死亡原因でも上位に位置する病気です。しかし、大腸がんは早期に発見できれば、高い確率で完全に治る病気でもあります。ごく初期であれば、お腹を切ることなく大腸カメラによる治療だけで完治を目指すことが可能です。

大腸がんの疑いがあるサイン

初期の段階では自覚症状がまったくありません。以下のような症状が現れたときには、ある程度病気が進行している可能性があります。

血便 便に血が混じる、あるいは便の表面に血が付く。
便通の異常 原因のわからない下痢や便秘が続く、便が細くなった。
腹部の不快感 お腹が張る、残便感がある、下腹部が痛む。
全身症状 理由がないのに体重が減ってきた、貧血やめまいがする。

検便で陽性が出たら必ず精密検査を

健康診断の便潜血検査(検便)は、大腸がんのSOSを見つけるための大切な検査です。もし陽性と判定された場合は、たまたま痔の血が出ただけだろうと自己判断せず、必ず大腸カメラ検査をお受けください。早期の大腸がんは無症状です。40歳を過ぎたら定期的にチェックしておくことが、命を守る何よりの予防策になります。

進行度に応じた治療法

  • 内視鏡治療(早期がん):がんが粘膜の表面の浅い層にとどまっている場合は、大腸カメラを使って切り取る低負担な手術が可能です。
  • 手術・抗がん剤(進行がん):がんが深く進んでいる場合は、外科手術や抗がん剤治療が必要になります。その際は、信頼できる専門の基幹病院へ責任を持ってご紹介いたします。
メッセージ
大腸がんは、定期的な検査によって早期発見・早期治療ができれば決して怖い病気ではありません。また、がんになる前の「大腸ポリープ」の段階で切除してしまえば、がんを未然に防ぐこともできます。「検便で陽性になった」「便通の様子がおかしい」など、少しでも気になることがあれば、我慢せずお早めに当院へご相談ください。

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